英語‐イディオム-2

お金を口に?お金にまつわる英語のイディオム20選

ニューヨークに行ってタクシーに乗った時に、運転手さんに“cough up $20”と言われたとします。

こんなとき、あなたならどう反応しますか?

20ドルが口から出てくるまで咳(cough)をする?それとも、財布から20ドルを出して渡す?

普通は財布からお金を出しますよね。運転手さんはなにもあなたに咳をしてほしいわけではありません。実はこれはお金を与えるという意味の ごく一般的なイディオムなのです。

イディオムは面白いもので、正しく学ばないかぎり、無理に理解しようとすると“壁に追いやられるほどうんざりしてしまうかもしれません。

実は英語では、お金について話しているわけじゃなくても、会話の中にお金が出てくるのはよくあることなのです。今回リストアップしたお金にまつわる20のイディオムは、“金ほどの価値”がありますよ!

英語のイディオムを簡単に学ぶ方法

イディオムを使えば英会話がとても楽しくなります!英語のイディオムを学ぶのは、会話力を磨いたり、英語の楽しい側面を学んだりしたい場合にも最適な方法です。

けれども、イディオムの意味は筋が通らないものなので、直訳すると余計にややこしくなるかもしれません。何かを表現したいときには便利なフレーズなのですが、それが使われている文脈の外ではちゃんとした意味をなさないものなのです。

例えば、バックフリップができるとあなたが言ったら、私は“put your money where your mouth is and do it”(直訳:口にお金を入れてやってみて)と言い返すでしょう。これはつまり、「信じないよ。証明してみて」という意味。口の中にお金を入れるだなんてナンセンスですが、このフレーズの本当の意味は文脈から判断することができるのではないでしょうか。

イディオムを学ぶためのコツは、あまり深く考えずに意味を受け入れてしまうこと。なぜイディオムにそんな意味があるのかはそれほど重要ではありません。意味と、どんな文脈で使われているのかを中心に学びましょう。

何度も同じイディオムを耳にして、自分でも実際に使ってみると、それほどおかしいとは思わなくなってくるはずです。また、イディオムをマスターするには、ポップカルチャーで英語を学ぶというのも一つの手です。

イディオムは日常会話や歌詞などにもよく使われているため、FluentUのオンライン外国語学習プログラムを利用して学ぶのもオススメです。FluentUでは、ミュージックビデオ、映画の予告編、ニュース、インスピレーションをもらえるトークなどの実社会の動画を使って、自分だけの外国語学習レッスンを行うことができます。たくさんの動画の中から好きなものを選び、字幕を使って動画中で使われているイディオムを学んでみましょう。あなたはいくつイディオムを見つけられるでしょうか?

イディオムの学習に便利なリソースには他にも以下のようなものがあります。

お金にまつわる20のイディオムで知識を豊かに!

日常英会話で最もよく使われている、お金に関係するイディオム20個をリストアップしました。正しく使う方法を学ぶと、英語を自然に話せるようになったり、英語圏の文化のことをもう少しよく知ることができるかもしれません。

1. To be born with a silver spoon in one’s mouth

意味: 裕福な家庭に生まれた人のこと

John was born with a silver spoon in his mouth. His parents bought him everything he wanted and sent him to the best private schools.”
ジョンは生まれつきお金持ちだ。両親は彼になんでも欲しいものを買い与え、良い私立高校に入れてやった。

2. To go from rags to riches

意味: 貧乏からお金持ちになること

“Actor Jim Carrey went from rags to riches. At one time, he was living in a van, but he continued to work hard and eventually became one of the highest-paid comedians in the world.”
俳優のジム・キャリーは貧乏から成り上がった。ワゴン車で生活していたこともあったが、一生懸命働き続け、ついには世界有数のギャラの高いのコメディアンになった。

3. Pay an arm and a leg for something

意味: 何かにたくさんのお金を払うこと

“The price of chocolate has doubled. I nearly paid an arm and a leg for a small candy bar.”
チョコレートの値段が倍になった。小さなお菓子に大金を払いそうになったよ。

類似のイディオム: To cost an arm and a leg.

Chocolate costs an arm and a leg now.”
今チョコレートはものすごく高い。

4. To have sticky fingers

意味: 盗みをすること

“The manager fired the cashier because he had sticky fingers. He stole more than $200 in a month.”
レジ係が泥棒したのでマネージャーが彼をクビにした。彼はひと月に200ドル以上盗んだ。

5. To give a run for one’s money

意味: 自分の同じくらいの能力の相手と競うこと

“Joe really gave me a run for my money in the chess tournament. He almost beat me!”
チェスのトーナメントでジョーと僕は互角の戦いだったよ。もう少しで負けそうだった!

6. To pony up

意味: 何かの支払いをしたり、借金を返済すること

Pony up and give me the $5 you owe me.”
私が貸している5ドルを返して。

“I told my roommate Jane to pony up her portion of the rent money.”
ルームメイトのジェーンに自分の家賃を支払うよう言った。

7. To ante up

意味: 誰かに支払いをすること(pony up と類似)

“ante up”という表現は、カードが配られる前にお金をかけるポーカーに由来しています。anteとは、ラテン語で“前に”を意味する言葉でもあります。

このイディオムは、ポーカーだけでなく誰かに借りのある支払いのことを指すようになりました。

You’d better ante up and give me that $10 I loaned you last week.”
先週きみに貸した10ドルを返した方がいいぞ。

またお金の他に、誰かに借りのあることを意味する場合もあります。

Joe: “I’m tired of doing the housework by myself. You need to ante up or find a new roommate.”
ジョー:一人で家事をやるのにはうんざりだ。君が借りを返すか、でなきゃ新しいルームメイトを探すぞ。

Thomas: “I’m sorry. I’ll help more around the house.”
トマス:ごめん。家事をもう少し手伝うよ。

この例では、トマスが家事を手伝わないといけないという意味で“ante up”が使われています。

類似のイディオム: To up the ante.

意味: かけ金を上げる

ポーカーでは、前の人よりも多くのお金を賭けることを“up the ante”と言います。このイディオムは、かけ金を上げる、もっとやることを承諾する、という意味で日常会話でも使われることがあります。

“Susan agreed to type up the group report, but Billy upped the ante when he said he’d type, print and deliver the report to Professor Stephens.”
スーザンがグループレポートを仕上げることにしたが、ビリーがレポートを仕上げて印刷し、スティーブンス教授に提出すると引き受けた。

“I wanted to place a $10 bet on the soccer match, but Daniel upped the ante and raised the bet to $50.”
サッカーの試合には10ドル賭けたかったけど、ダニエルがかけ金を50ドルにまで上げた。

8. To look like a million bucks

意味:幸せで健康そうに見える

John looked like a million bucks when he left the hospital. You couldn’t even tell he was sick.”
ジョンが病院を出たときには健康そうだった。病気には見えなかったよ。

9. To break even

意味: 損益がないこと

“The trip to the beach cost me $100, but I almost broke even after winning $90 in a contest.”
ビーチへの旅行は100ドルかかったけれど、コンテストで賞金90ドルをもらってほとんどチャラになった。

10. To break the bank

意味:とても高価なこと

“Taking a week-long vacation would break the bank. There’s no way I could afford to do it.”
一週間のバケーションなんて高くつくよ。そんなお金の余裕あるはずがない。

11. To be closefisted

意味:お金を払いたがらない人。ケチ。

Carl is so closefisted, he won’t even buy snacks for the Christmas party.”
カールは財布のひもが堅い。クリスマスパーティーのお菓子さえ買おうとしない。

12. To go Dutch

意味: レストランで会計を別にすること

“We had a date last night and we went Dutch. I paid for my coffee and she paid for her salad.”
昨夜のデートは別払いにした。僕は自分のコーヒーの分を払って、彼女はサラダの分を払った。

13. To shell out money / to fork over money

意味: (高価なもの等)の支払いをすること

“I wish I didn’t buy that new car now that I’m shelling out $1000 a month in payments.”
毎月1000ドルも払っているから、あの新車を買わなければよかったと思うよ。

She had to fork over a lot of money for traffic fines last month.”
彼女は先月、交通違反で罰金をたくさん払わないといけなかった。

14. To have the Midas touch

意味: 簡単にお金を作れるということ

このイディオムは、手に触れるものを金に変えるというミダース王の物語に由来します。

Jane really has the Midas touch. Every business she starts becomes very successful.”
ジェーンはお金儲けの才能がある。彼女が始めたビジネスはどれもすごく成功するんだ。

15. To be in the red

意味:収入よりも支出が多いこと。赤字

I’m in the red this month after paying that speeding ticket. I’ll need to find some work over the weekend for extra money.”
スピード違反の罰金を払ったから今月は赤字だ。週末に他の仕事をして収入を増やさなきゃ。

ちなみに、“being in red” の反対は“being in the black”、つまり支出よりも収入が多く、黒字だということです。

“After working a couple of small jobs over the weekend, I earned an extra $500 and am back in the black.”
週末にちょっとした仕事をいくつかしたら、500ドル余分に稼げて黒字に戻ったよ。

16. To receive a kickback

意味:非合法的にお金を受け取る / 賄賂を受け取る

“The police chief was arrested after the news reported he was receiving kickbacks from criminals to ignore certain crimes”
犯罪者から賄賂を受け取って犯罪を見逃したという報道があった後、警察署長が逮捕された。

The traffic cop receives kickbacks for not writing tickets to politicians.”
交通巡査は交通違反のチケットを切らないよう政治家からお金を受け取った。

17. Living hand to mouth

意味:多くのお金を持たずに生活する

“The family has been living hand to mouth ever since their father lost his job.”
あの家族は父親が職を失ってからその日暮らしの生活をしている。

18. To be loaded

意味:多くのお金を持つこと

“Billy paid his Harvard Law School tuition with cash. His family is loaded.”
ビリーはハーバードロースクールの学費を現金で払った。彼の家族はお金持ちだ。

19. To make ends meet

意味:生計を立てること、収入でやりくりすること

“I don’t make much from my job as a cashier, but I’m able to make ends meet. I always have enough money for rent and groceries.”
レジ打ちだから稼ぎは多くないけれど、生計のやりくりは出来る。家賃や食費のお金はいつも十分にある。

20. To be as genuine as a three-dollar bill

意味: 何かが偽物だということを意味するアメリカの皮肉表現

genuineとは本物という意味です。しかし、アメリカに3ドル札などというものはありませんから、“本物の3ドル札”は偽物だということです。

例えば、パリのルーブル美術館には本物のモナ・リザがあります。もし学校の美術室にモナ・リザの絵が飾ってあったら、それは本物ではない複製品ですよね。つまり、学校のモナ・リザは“as genuine as a three-dollar bill”だと言えます。

“That man tried to sell me a Lamborghini from 1953. He said it was the first Lamborghini model ever made but the company didn’t exist until ten years later. His car was as genuine as a three-dollar bill.”
あの男は1953年のランボルギーニを売りつけようとした。ランボルギーニの最初のモデルだと言ったが、その会社が作られたのは10年後のことだ。彼の車は全くの偽物だったというわけだ。

 

次に英語の映画やテレビドラマを観る機会があれば、メモ帳を用意して、少しおかしな表現を書きとっておきましょう。後で意味を調べてみると、おそらくそれらはイディオムだと分かるはずです。

イディオムを使うことに慣れてきたら、自然な英語をマスターできる日も近いのかもしれません!

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