
ラジオを聴いて英語を学ぶための4つのステップと13のおすすめ番組
レトロなものを少し取り入れるって素敵なことですよね。
懐古趣味とは昔のファッションやトレンドを復活させて楽しむことです。
あなたの身の回りにもこんな人たちはいませんか?
20世紀のヴィンテージの洋服を着たり、
クラシックカーを買ったり、
中にはアナログレコードで音楽を聴く人もいるかもしれませんね。
実は、英語を学習するときにも少しレトロになることができるんです。
その方法はずばり、英語のラジオ番組を聴くこと。
今日ではYoutubeやNetflix、Podcastなどがラジオよりもずっと人気になりましたが、だからといってラジオが無くなってしまったわけではありません。
実は、 ラジオには英語学習者にぴったりの優れたコンテンツがたくさんあり、日々の学習にもとても役に立つのです。しかも、ラジオを聴くのにラジオ機器は必要ありません。インターネットさえあればOKです。
今回は、ラジオを使って英語のリスニング力を伸ばすために行うべきステップをリストにしました。あらゆる学習レベルの人のための英語のラジオ番組13選と、それらを最大限に活用できる4つのステップをご紹介します。
ラジオを使って英語を学ぶための4つのステップ
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ステップ1:英語学習用のラジオ番組を聴く
英語を学んでいる人は、まずは英語学習のために作られたラジオ番組を聴くところから始めてみましょう。一般的にこういった番組では話すスピードが遅く、易しいボキャブラリーが使われ、英語圏の文化を紹介するような内容が扱われたりするものです。こういったラジオ番組の目的は、自然な文脈でリスナーの英語力を伸ばすことにあります。
こちらは初級から中級の英語学習者に適した放送局のリストです。
“Learning English Broadcast” (Voice of America)
アメリカ英語を学ぶためのオンラインリソースの中では、Voice of Americaは有名どころの一つです。“Learning English Broadcast”は英語学習の初心者から中級者のために作られたラジオ番組です。
この番組のプレゼンターは、ネイティブスピーカー向けの番組に比べてゆっくりと明確に話してくれます。また、番組内で使われているボキャブラリーも学習者向けに選ばれているため、言葉の意味がつかみやすく理解しやすいはずです。
内容は世界の時事問題に関することがほとんどです。エンターテイメントや政治、戦争、科学、文化、インターネット等、トピックは多岐に渡ります。例えば、こちらのエピソードではアカデミー賞が取り上げられています。また、インタビューや話題の出来事の詳しい解説が特集されることもあります。
1回につき30分の番組なので、毎日の英語のリスニング練習にはぴったりの長さなのではないでしょうか。
初級の学習者は一度に全て聴こうとすると新しい単語を覚えるのが大変なので、途中で休憩をはさみながら聴くことをおすすめします。
“Adept English”
“Adept English”は、学習者が母国語と同じくらい自然に英語のスピーキングができるようにすることを目的としています。1回につき9~15分程度のラジオ番組なので、初心者の英語学習には最適です。
番組内では語学的な内容が扱われることもあれば、ごく一般的な事柄や文化、事件やニュースなどのトピックにも触れられることもあります。語学的な内容では、イディオムや文法、勉強のコツ、頭字語などを学ぶことができます。その他の一般的なトピックでは、クリスマスツリーや、フィットネス、健康、環境汚染など、英語圏の国に関係した内容が扱われます。
この番組では、英会話の中でも特に文化的な側面や、色々な状況下での決まりごとなどに焦点が当てられます。
“Adept English”の司会はイギリス訛りの英語で話すため、イギリス英語を学びたいリスナーにも適しているでしょう。
“6 Minute English” (BBC Learning English)
名前からも分かる通り、この番組ではほんの短い時間でできる英語のアクティビティを聴くことができます。中級の学習者に理想的な内容です。
他の番組と同じようにシンプルな英語が使われていますが、アクティビティ、問題、単語リストなど、語彙力の向上のためにも使える内容が盛り沢山なのが特徴。
このラジオ番組のウェブページでは、ラジオで聴いた内容を文章で見ることができるため、リーディングの練習までできてしまいます。ただし、トランスクリプト(話し言葉や口語での会話を文字起こしたもの)はラジオのオーディオと完全に一致するわけではないので、まずはラジオを聴いてからトランスクリプトを読むようにしましょう。
ステップ2:お気に入りの番組でシャドーイング
ラジオ番組を聴いたら、その回をもう一度聴きながらシャドーイングに挑戦 してみましょう。正しい発音をインプットして、ネイティブのような発音を再現することが目的です。このアクティビティは似た発音の言葉を区別する練習にも役立つでしょう。
まず、上記のラジオ番組から気に入ったエピソードを選び、その中からシャドーイングに使いたい5分間ほどの部分を選びます。ここでは意味の分からなかった言葉や、発音が難しいと感じる部分を選んで練習しましょう。シャドーイングをするときは自分の声を録音し(後ほど詳しく解説)、シャドーイング後に聞きます。
次に自分の声とラジオのスピーカーの声を聞き比べてみます。間違えたところをメモしたり、まだ意味の分からないところを調べたりしましょう。内容の理解が深まり、自分なりに上達したと感じるまで繰り返しましょう。
シャドーイングの詳しい方法に関してはこちらの記事をご覧ください。以下では効果的なシャドーイングを行うために使える便利なアプリやツールを見ていきましょう。
Repeat Player
Repeat Playerは外国語学習のために作られたアンドロイドレコーダーです。オーディオファイルのうちフォーカスしたい箇所を選択することができます。このアプリは選択した箇所をリピートしてくれるので、繰り返し聴いて内容をしっかりと理解したいときにも便利になるでしょう。また、ご自身のリスニング力に合わせて再生速度を設定することもできます。
こちらのアプリは無料でインストールできます。
Repeat Recorder Voice Practice
こちらのプレイヤーは、録音した内容をすぐに聴くようなエクササイズにぴったりです。このアプリは録音が終ると、タップすることなしに自分で録音を止めてくれるのです。そして即座にその録音を再生してくれます。ラジオを使ってシャドーイングをするときはたくさん録音する必要がありますが、このアプリなら簡単に操作ができて、携帯に気を取られることなく練習に集中できそうです。
iOSのデバイスをお持ちの方は、Voice Recorder & Audio Editorという類似のアプリを使ってみてください。
FluentU
シャドーイングをするときはリスニングにも発音にも集中しないといけないため難しく、たくさん練習する必要があります。これを上達させるためのツールが何か追加で欲しい人には、FluentUがオススメです。
FluentUでは、ニュース番組やインスピレーションになるスピーチ、ミュージックビデオなどなどオーセンティックな英語の動画を見ることができ、それらを使って外国語学習をすることができます。それぞれの動画には参加型のキャプションが付いているため、クリックするだけで意味や発音をすぐに確認することができます。こういった学習機能を使っているときは動画は自動で一時停止するので、シャドーイングがとても簡単にできて、学習に集中できるようになっています。
動画はジャンルや学習レベルごとに並んでいるので、自分に合ったものを簡単に見つけることができます。また、閲覧履歴をもとにおすすめの動画がピックアップされるため、自分のニーズにぴったり合うレッスンがしやすいようになっています。
FluentUではネイティブスピーカーが見るような本物の英語を使ったコンテンツで学習を行うため、ネイティブ向けのラジオ番組を聴くという次のステップにも最適な架け橋となってくれるでしょう。
ラジオに近いものを聴きたいときには、オーディオのみのファイルも利用することができます。FluentUの完全版ライブラリを無料で試せるトライアルは、こちらからチェックしてみてください。
ステップ3:ネイティブ向けラジオ番組を聴く
基本をマスターして英語に慣れてきたら、今度はネイティブスピーカー向けのラジオ番組を聴いてみましょう。
こういったラジオ番組の特徴は、学習者のために作られた番組に比べて話すスピードがかなり速いということです。まずは番組中の短い箇所を選んで、繰り返し聴くところから始めてみましょう。
ボキャブラリーやフォーマット、会話の速度、話し方などは番組のジャンルによって異なるものです。そのため、どのようなタイプの英語をなぜ学びたいのかを明確にしておくことが大切です。
ここでは様々な学習者の興味に合うよう、幅広いラジオ番組の中から最適なものを選んでリストにしました。
スポーツ
“ESPN Radio”
ESPNは世界でも有数のスポーツニュース局です。この番組ではスポーツニュース、実況生中継、様々なスポーツ選手たちとの討論やインタビューなどが放送されています。アメリカのラジオ局なので、アメリカ英語が使われています。
こちらのコンテンツではスポーツの専門的な側面まで深く掘り下げられることも珍しくありません。そのためこの番組を聴いて英語の勉強をする人は、すでに知識のあるスポーツについての番組を聴くか、目当てのスポーツに関する基本的なボキャブラリーを学んでから聴くことをおすすめします。まずは試合を観てから、その試合に関するコメンタリーを聴くのも分かりやすくて良い方法かもしれません。
初級の方には会話が難しいと感じるような内容のため、中級の学習者におすすめのラジオ局です。
“BBC Sportsworld”
“BBC Sportsworld”は世界中のリスナーのために放送されていますが、全ての内容にイギリス英語が使われています。
サッカーから野球、クリケットに至るまでほとんど全てのスポーツが網羅されています。また、大きな試合には必ずレポーターが置かれるものこの局の特徴。実況中継に、討論、分析、インタビュー、トークショーなどが盛り込まれたコンテンツが提供されています。オリンピック、コモンウェルスゲームズ、ワールドカップなど、世界での大きなスポーツイベントも扱われます。
生放送を聴くことも、収録済みのものを後からウェブサイトで聴くこともできます。こちらのラジオ局ではSNSや電話を使ってリスナーとの交流も行われています。
カルチャー
WNYCはニューヨークを拠点とする有名な公共ラジオ曲で、アメリカ人リスナーのためのさまざまなラジオ番組が放送されています。
このラジオ局で放送される番組では、日常生活に関わる政策や、解決すべき社会問題などが扱われています。専門家などがゲスト出演し、アメリカ社会において広まっている文化問題などについて解説します。
WNYCでこういった話題を扱う人気番組には“1A”、“The Brian Lehrer Show”などがあり、これらはどちらもディスカッション形式の番組なので、ハイレベルな中級から上級の学習者に適したコンテンツです。
こちらのラジオ局には音楽、本、その他カルチャーを中心とした番組もあります。また、アメリカのリスナーのためにBBC World Serviceとバートナーを組んで国際ニュースも放送されています。
WYNCはウェブサイトから生で聴くか、こちらの番組リストから聴きたいものを選ぶこともできます。
アメリカ文化を真面目な視点から学びたいと考えている人は、こちらのラジオ局がとても役に立つはずです。英語話者がシリアスな話題をどう扱うのか、そしてそういった話題に触れるときにはどんなトーンが使われるかなども学べるでしょう。
“The Debaters” (CBC)
“The Debaters”はカナダの有名なラジオ番組で、司会はコメディアンのスティーブ・パターソンが務めています。この番組では様々な議題についてのディベートが面白おかしく行われます。議題そのものも真剣なディベートでは扱われないような面白いものばかりです。例えば、人は飼い犬をあちこち連れて行くべきか、牛は鶏よりも優れているのか、大晦日は才覚の夜なのか、などなど。
この番組は日常的な事柄を学ぶのに最適です。ネイティブスピーカーたちが自国で扱わなければいけない日々の問題をライトに、カジュアルに取り上げています。番組1回は15分程度で、中級から上級の学習者に適しています。
“Pop Culture Happy Hour” (NPR)
番組タイトルからも分かる通り、こちらは映画、音楽、文学、カルチャー全般などの領域で人気のあるものを取り上げる番組です。出演者たちが最近気になっているショーやイベント、トレンドなどについて語り合います。著者や、映画監督、音楽家、その他有名人などのインタビューも聴くことができます。
アメリカのラジオ局NPRの番組ですが、コンテンツそのものは英語を話す一般の人々に向けて作られています。世界中のピックアップした作品が紹介されるため、アメリカ以外の国の人にも楽しめる内容となっています。ほとんどの出演者はアメリカ英語を話しますが、登場するゲストによっては異なる英語が使われることもあります。
何人もが一度に話すこともあるので、リスニングの練習として聴く場合は中級から上級の学習者におすすめです。
“The Documentary” (BBC)
シリアスでかしこまった英語を学びたい人はこちらの番組がおすすめです。世界中の歴史や時事、人物などが特集されるドキュメンタリーです。
BBC制作の番組で、司会者はイギリス英語を話しますが、内容としては世界に焦点が当てられています。幅広いトピックが扱われるため、あらゆる国の文化から興味のあるものを見つけて聴くことができるでしょう。
一人のナレーターがクリアな口調で語る番組なので、リスニング練習には理想的とも言えます。ナレーターは司会者か、それぞれのトピックに詳しい専門家です。
この番組は、国連などの国際機関で働きたい人や、歴史や国際関係を学びたい人の英語学習にもぴったりです。“The Documentary”では難しい言葉が使われるため、上級の学習者にのみ役に立つでしょう。
ニュース
“Anderson Cooper 360” (CNN)
アンダーソン・クーパーはアメリカで有名なジャーナリストです。そんな彼がパーソナリティーを務める“Anderson Cooper 360”は2003年から放送されている、最新のニュースや出来事を扱うラジオ番組です。
彼は“標準的なアメリカ英語”を話し、フォーマルで自然なトーンの話し方でも有名です。最新のニュースを伝える際に、状況や背景が短く説明されるのも特徴です。この番組では主に政治やアメリカ政府の政策に焦点が当てられています。アメリカの政治に興味がある人や、この分野での勉強やキャリアを考えている人には興味深い内容だと思います。
クーパーは1990年代からレポーターをしており、“60 Minutes”などの有名番組も担当していたため、ジャーナリズムの世界に入りたいと考えている人はこの番組から価値ある知識が得られるはずです。
この番組のペースはとても速いため、上級者のリスナーにのみ適しています。
“MSNBC News”
MSNBCもアメリカのニュースステーションですが、“Anderson Cooper 360”に比べると会話重視の内容となっています。話すスピードは比較的ゆっくりで、出演者の会話にも付いていきやすいため、中級の学習者に向いているでしょう。
また、アンダーソンに比べてこちらのニュースは扱うトピックが幅広く、政治や政府のことだけでなく事故やトレンド、最新のテクノロジー、セレブのニュースなど、一般的な事柄についても触れられます。比較的シンプルな言葉が使われており、幅広いオーディエンスに向けて作られています。
こちらのラジオ局は初級の学習者には難しいかもしれませんが、中級者には役立つでしょう。
ビジネス
“Bloomberg Radio”
Bloombergは国際的なニュース番組で、金融、ビジネス、市場などを中心に扱っています。また、市場に影響を及ぼすような訴訟事件やアメリカの政策などにもしばしば触れられます。
このラジオ番組ではシンプルな言葉や安定感のある口調が用いられますが、専門用語が多く出てくるのも事実です。ビジネス英語を学ぼうとしている人は、この番組を10分ほど聴いて、ヘッドラインや専門用語などをノートに書きとり、メインのウェブサイトで同じニュースの記事を読むと良い勉強になるでしょう。(ブラウジングして探すか、検索バーでキーワードを検索してみましょう。)
このラジオ局は初心者には少し難易度が高いため、中級の学習者にオススメです。
“Your Money Matters” (Wall Street Journal)
こちらのラジオステーションは有名な金融新聞ウォールストリートジャーナルによるものです。先述の番組とは違って、それぞれの回ではトピックがひとつ取り上げられ、分析されます。ニュースを報道するのとは異なり、政府の政策のもつ影響を追ったり、市場について話されたり、リスナーへのアドバイスが行われることもあります。
また、世の中の経済が話題の中心になることもあれば、個人の経済状況にフォーカスされることもあり、例えば住宅不足などの現象が経済全体にどう影響するかなどの解説がされることもあります。番組内ではアメリカ経済が中心に扱われており、アメリカ英語が使われています。
この番組では、ナレーション、短いオーディオ、インタビューなど様々な要素が取り入れられています。だからと言って内容に付いていくのが難しいわけではなく、使われている言葉はかなりシンプルです。リスニング教材として使う場合は、中級から上級の学習者に適しています。
ステップ4:要約して復習する
ネイティブスピーカー向けのラジオを聴いたら、そこから学んだことを復習するのが大切です。
もちろん最も良い方法は、ラジオを聴いたあとすぐにその内容を要約することです。効果的な要約を作るには、メインとなるトピックや、番組内でのポイント、議論の流れ、トピックに関連する重要用語などをノートに書きだしましょう。
リスニングをして初めて知った単語は、フラッシュカードで覚えるのが一番です。フラッシュカードアプリを使うととても簡単で便利にできるようになります。
とは言え、言語を学ぶための最善の方法はその言語を使うことです。ラジオを聴くとコンスタントに情報をインプットできるため、これを機にオンラインで自分の知識をシェアしてみてはいかがでしょうか。SNSは知識のシェアに最適なプラットフォームなので、外国語学習のために継続的に活用していくと良いかもしれません。好きなラジオ番組やラジオ局ののFacebookページを探して、コメントを残してみましょう!
英語のリスニング力を伸ばすための4つのステップをご紹介しましたが、結局はご自身の学習レベルや、ニーズ、学習の進み具合などに合わせて練習方法を変えていく必要があります。これらのステップをもとに色々な工夫をしながらリスニング学習を行ってくださいね。
ディリティマン・レイはフィクション、詩、ノンフィクションの作家です。専門分野は教育、心理学、ライフスタイル。詳しくはこちらをクリックしてご覧ください。